こんにちは。ピンチです。
【ラップ持ち】クライマーなら誰もが知っている保持方法です。(呼び方は地方や世代にもよりますけど・・・)
今回の「クライミング持論!」では、意外と使える【ラップ持ち】!というテーマで語ってみたいと思います。
目次
どんな持ち方?
【ラップ持ち】というのはどんな保持方法かと言うと、通常ホールドを正面から持つところをホールドの横から指の付け根、時には手首から巻き込んで保持する方法です。
基本的によく使うラップ持ちは、小指を壁に付けて保持します。しかし、逆に親指・人差し指が壁に付く持ち方もあります。
ちなみに両手ラップ持ちをすると動物の【ナマケモノ】みたいな形になります。
どんな時に使かうべきか?
ラップ持ちは小指が壁側にある場合には、身体を引き付ける動きの時に使います。
その逆に親指や人差し指が壁側にある時には主にプッシュ(押す)動きの時に使います。
まあこれは常識と言うか、別に意識しなくても出来ると思います。
意識してどんな時に使ってほしいかと言うと、登攀中に腕がパンプして休みたい時や身体を安定させたい時です。
詳しく説明していきます。
パンプした時!
登攀中にパンプするというのはクライマーなら誰しもが経験する事ですが、これは同じ筋肉ばかりを使って力を入れ続けて血流が止まっているから起こっている現象です。
なので、少し違う筋肉を使う事で血流を流す事ができパンプから回復させる事ができます。分かっていると思いますが、全回復は出来ませんよ。
ホールドを正面から保持する時とラップ持ちで横から保持する時とでは、使用する筋肉が少し変わってきます。
また、手首から曲げて保持できるようなホールドですと大きな筋肉が使う事ができ、楽に保持出来るでしょう!
例え手首から曲げて保持できなかったとしても、ラップ持ちに変える事で楽になるハズです。
ただしラップ持ちできるホールドが無ければ出来ないですので、普段からラップ持ちできるホールドは見逃さないようにしましょう。
身体を安定させる時!
例えば大きなスローパーを両手で保持(マッチ)する時に両手とも正面から保持すると足がきれた時に大きく身体が外に振られて落下するでしょう。
しかしそんな時に両手ラップ持ちで大きなスローパーを包み込み挟むように保持すると足がきれて身体が外側に振られても落下せずに耐えられるでしょう。
足がきれなければ良いのではないかと思うかもしれませんが、ダブルダイノ等の時は必ず足がきれます。そんな時には必須です。
また、そのまま身体を引き付ける時(マッチ状態の時)にも正面から保持しているよりも両手ラップ持ちの方が楽に身体を引き付ける事ができます。
それは次の項目で説明します。
その他、身体を安定する理由として接地面積が大きくなる事と壁に近付ける事。
ラップ持ちは手のひら全体から時には肘の付近まで壁に密着する事ができますのでしっかりと保持とロックができます。また、自然と壁に身体が近付く事とも相まって身体を安定させる事ができます。
※接地面積が大きい事と壁に近い分、もしもスリップしてしまった時には擦り傷・打ち身等ダメージも大きくなるので注意してください。
使う筋肉!
使う筋肉ですが、通常ホールドを正面から保持すると指を曲げる前腕筋群と背中の広背筋などを使います。
しかし、ラップ持ちでホールドを横から保持しようとすると同じ前腕でも握り込む部分ではなく手首を曲げる大きな筋肉を使えます。また、背中よりも上腕二頭筋(力こぶの部分)を使います。
ラップ持ちにすると同じ前腕の中でもより大きな力を出す事のできる部分を使える事と普段からよく使うパワーの出やすい上腕二頭筋を使う事で楽に保持できる訳です。
懸垂でも初心者は、順手よりも逆手を推奨しますものね。順手(手の甲が自分側)では背中の筋肉をメインですが、逆手(手の甲が外向き)では主に上腕二頭筋を使います。
という事は、体を引き付ける時に上腕二頭筋を使った方が有利だという事です。
まとめ!
このように【ラップ持ち】と言う保持方法は、意外とどころかかなり使える保持方法なのです。
最近では、大きなホールドやハリボテが増えてきて人工壁ではラップ持ちを利用する機会が非常に多いです。
大きなホールドやハリボテなどは普通に保持すると厳しいですが、気転を利かしラップ持ちすると楽になったりします。
ぜひ普段から意識して欲しいと思います。